就活が始まり、エントリーシートを書こうとすると最初の数行で手が止まりがちです。エピソードはあるのに、伝わる順番や文字数配分、企業ごとの設問意図への合わせ込みが難しいからです。本稿は、面接官が読み取りやすい構造に直すコツを中心に、評価観点、STAR法の使い方、例文テンプレ、提出前チェックまでを一枚で俯瞰できるよう整理しました。書き出しの迷いを減らし、締切までの進め方も含めて「今日終わる作業」に落とし込めるよう導きます。次章で、エントリーシートで迷うポイントを短く整理します。
エントリーシートで迷う人の共通点と検索意図
エントリーシートでよくあるつまずき
- 結論が奥に埋もれる:成果や学びが最後に出てきて、読み手が要点に届かない。
- 抽象語の多用:「頑張った」「工夫した」等で具体像が見えない。
- 設問意図とズレる:自己PRに志望動機を混ぜるなど、答えるべき問いから離脱。
- 文字数配分の歪み:背景に半分以上を使い、行動・結果が窮屈に。
採用側がエントリーシートで見ている核心
- 合致度:求める人物像・仕事の特性と噛み合うか。
- 再現性:行動が再現でき、入社後も成果を出せそうか。
- 成長性:振り返りからの改善と伸びしろが見えるか。
— この3点が早く判定できるよう、結論→根拠→具体の順で届けることが鍵です。
エントリーシートの評価の仕組みを理解する
エントリーシート評価の3軸(初出で補足)
- 結論明快性:1〜2文で要点が把握できるか。
- 事実の具体性:数字・役割・制約が示されているか。
- 学びの転用:得た示唆が職務に結びついているか。
→ これらは**STAR(Situation/Task/Action/Result)**で事実を置き、**PREP(Point/Reason/Example/Point)**で結論ファーストに並べると満たしやすくなります。
STAR法の図解を言語でイメージする
- S(状況):いつ・どこで・誰と・どの規模
- T(課題):目標/制約/成功基準(数で)
- A(行動):自分の意思決定・工夫(3点)
- R(結果):数値・変化・再現可能性
この骨組みに**P(結論)**を冒頭と末尾に置くと、読み手の“判定時間”を短縮できます。
エントリーシートの書き方の具体策
エントリーシート完成までの5ステップ
- 求人理解を先に:事業/職種/求める人物像の要点を3行で要約。
- 自己棚卸しを数で:強み×状況×成果を表で3〜5件抽出(例:新歓企画で参加者120%)。
- 設問意図を言い換える:「この問いは何を測りたい?」を1文で定義。
- 文字数別の雛形で下書き:
- 200字:
P(1文)→A(2文)→R(1文)→転用(1文)
- 400字:
P→S/T(2〜3文)→A(3〜4文)→R(2文)→転用(1〜2文)
- 600字:上記に「困難→打ち手の比較」を追加。
- 200字:
- 提出前チェック:音読1.2倍速で噛む箇所を修正/主語「私」過多の削減/数字・固有名の誤記確認。
エントリーシートの失敗例と対策
- 成果が主観:「盛り上がった」→数字化「来場者180名で前年比+35%」。
- 役割が不明:「チームで実施」→自分の貢献「SNS広告のA/Bテストを設計」。
- 学びが一般論:「コミュ力が大事」→転用「仮説→検証→改善のサイクルを営業提案に適用」。
- 企業合わせの空疎:「御社の成長性に惹かれ」→根拠「〇〇事業の粗利率改善策に関心、××の経験が活きる」。
エントリーシート実例でサクッと練習
- 自己PR(約200字)
私の強みは、仮説検証を回し成果に結びつける実行力です。ゼミ新歓では来場者数の伸び悩みを受け、SNS広告の訴求を3案に分けて配信。クリック率が最も高い案へ予算を再配分し、参加者を前年比120%の180名に伸ばしました。この過程で「仮説→少額検証→拡張」の型を学び、入社後は営業活動でも同型を回し効率的に受注機会を増やします。 - ガクチカ(約400字)
コロナ禍で縮小した学園祭の来場回復を目標に、実行委員として集客を担当。会場制限と安全基準という制約下で、来場者1,500人の達成を指標に設定しました。まず、前年の来場データから家族連れの比率が高いと把握。動線上に親子向け体験ブースを追加し、混雑を避けるため時間帯別の整理券を導入しました。広報は、地域のPTA/商店会に紙チラシを配布しつつ、Instagramでは「滞在30分で楽しめる見どころ」を連載。結果、来場者は1,620人となり、満足度アンケートでも「混雑が少ない」が上位に。制約条件を前提に指標と施策を組む姿勢を学び、業務でもKPIから逆算して優先順位を設計します。 - 志望動機(約300字)
御社を志望する理由は、〇〇事業での中小企業向けSaaSの定着支援に挑戦できるからです。私は前述の施策で「小さく試し、結果で広げる」運用を経験しました。SaaS導入も同様に、仮説立案→初期価値の早期体験→拡張という段階が成果を左右します。御社のオンボーディング体制とユーザー成功事例の豊富さは、この運用に合致しています。入社後は、仮説検証の型を活かし、顧客の成功事例を再現可能な手順として横展開し、継続利用率の向上に貢献します。
3分テンプレート
- 自己PR(200字)
①結論(強み)/②状況(S)/③課題(T)/④行動(A×2)/⑤結果(R・数)/⑥転用(仕事での活かし方) - ガクチカ(400字)
①結論→②S/T→③A(意思決定・工夫・困難)→④R(数・第三者評価)→⑤学び→⑥転用 - 志望動機(300字)
①合致理由→②事業理解(1行)→③自分の経験が活きる論拠→④入社後の貢献像
エントリーシート作成に役立つツール活用
最小構成で始める
- プラットフォーム:OpenESやMyCareerBoxは下書きや提出フォーマット整備に有用。企業指定の方式を必ず確認。
- 文字数管理:200/400/600字の雛形をテンプレ化し、Word/Google Docsで「現在の文字数」を常時表示。
- チェックリスト:固有名/数字/日付の誤記、主語・述語のねじれ、受け身連発、抽象語の削減を機械的に点検。
作業を進める工夫
AIタスク管理アプリ「するたす」を使うと、「ESを仕上げる」を30分×3ブロックに自動分割し、音読チェックや志望動機の追記などをToDo化。締切から逆算したリマインドで“後回し”を防げます。
よくある質問
- Q: エントリーシートとは何ですか?
A: 企業が応募者の人物像・適性を把握するための書類で、自己PRや志望動機、学生時代に力を入れたこと等を設問に沿って記入します。履歴書より自由度が高く、企業ごとに形式が異なります。 - Q: どこで手に入りますか?
A: 企業のマイページや説明会で配布・指定されることが多いです。共通様式としてOpenESやMyCareerBoxを受け付ける企業もあります。必ず募集要項を確認してください。 - Q: 落ちる割合はどれくらい?
A: 業界・企業・年度で大きく変動し非公開です。自分でコントロールできるのは結論明確・具体性・転用可能性の3点です。提出前チェックを徹底しましょう。 - Q: 履歴書との違いは?
A: 履歴書は基本情報中心、エントリーシートは設問に沿ってエピソードや思考を深掘りします。併用提出の企業もあります。 - Q: 自己PR・ガクチカの文字数は?
A: 指定が最優先。なければ目安として自己PR200〜300字、ガクチカ300〜400字、志望動機250〜350字を想定し、提出先に合わせて調整します。 - Q: 写真や基本情報の注意点は?
A: 写真は指定サイズ・背景色に従い、服装・姿勢を整えます。住所や氏名の誤記、メールアドレスの表記揺れに注意しましょう。
まとめ
- 結論→根拠→具体の順で、面接官の“判定時間”を短縮する。
- STAR×PREPで事実と結論を両立させる。
- 200/400/600字雛形を使い、カット/増量の指針を持つ。
- 提出前チェック(数字・固有名・音読)でミスを削減。
- 締切から逆算してブロック化し、日々10〜30分で進める。
次アクション:本記事のテンプレに自分のエピソードを当てはめ、200字版→400字版の順で下書きし、音読して整えましょう。
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